理究の哲学(エンジン)

第一章 幸福ノ学

第四項 「幸福論」→「ウェルビーイング理論」

幸福理論では、どのくらいの幸せ(人生の満足度)が得られるのかを予測しながら人々が選択し、未来の幸せを最大化するような方向性を選択する。
幸せを最大化することが、人々の選び取る、最後の道に相通じる道、というわけだ。
ウェルビーイング理論は、気持ちのよさと同時に、実際には意味・意義、良好な関係性、それに何かを達成することなどが組み合わさったものだ。
人生の選択は、これら五つの要素すべてを最大化することで決まる。

―『ポジティブ心理学の挑戦』マーティン・セリグマン―


「幸せ」とは、自分が気持ちよく感じること、と定義するならば、人生の方向性は、その気持ちよさを最大限にしようとすること―つまり”満足度”を高めていく、ということになります。
では、この”満足度”とはどういうものでしょうか?
Nippon柔道は世界に誇る伝統武道。
オリンピックで前代未聞の三連覇をした野村忠宏選手(軽量級)が、2015年8月の日本選手権を最後に現役から引退しました。40歳です。引退会見で「オリンピックで金メダルを取ったときの印象はどうでしたか?」という記者の質問に、
『勿論、金メダル獲得を目標にしてきていたので、その時は嬉しくてたまりませんでした。ただ、満足というのは、一瞬の出来事であり、それは消えていきます』
と応えました。

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