理究の哲学(エンジン)

第四章 未来創造ノ学

第一項 「ことばの学校」の考察

― コンセプトの明確化は、課題を可視化する ―

この商品の目的は何なのか?に焦点を絞り、その目的に方法論があっているかどうかを確認する、吟味する大切さに気づかされました。

たとえば、こんなことがありました。
授業を視察したとき、「あれ?」と感じたことがありました。プリント問題にわからない語句があると、生徒が作業をとめて辞書を引くのです。Qゼミでは、そのように指導していました。Qゼミでは、辞書を引くことを奨励していたのです。教室には、何冊もの辞書が置いてあります。
当時、百マス計算で有名になった蔭山英男氏が立命館小学校副校長に就任し、“辞書引き”を推奨していました。マスコミでも取り上げ、話題になっていた頃でした。
辞書引き?一見正しい方法のように見えます。
わからない語句の意味を放ったらかしにしない、良いことだ、と。

「うん?ちょっと待てよ。確かに、辞書を引くことは大事な勉強ではあるが・・・・・・ これでは、問題を解くのに時間がかかりすぎる。そもそもプリント問題は、語彙をサラッと確認する程度のモノ。本を楽しむ時間が削られるのは、目的と合致しないぞ」
「わからない語句があったときは、文脈の中で類推するという力を養うクセをつけないと本を楽しめないぞ」
「多聴多読することでスムーズな読書が可能になり、読書することで語彙量が増え、ことばセンスが身につき、理解力もついていく、という我々の仮説検証とは相反する方法になるな」
「もしも、辞書を引きながらでないと進めないとするならば、その本の語彙レベルやそのプリント問題の内容が、その子の能力にあっていない可能性があるぞ」
などなど、現場を見ながら、実践しながら問題点をピックアップしていきました。それにより、授業の運営方法やルール、段階別の教材内容とレベル、生徒の能力把握の方法、なども品質改善の方向性が見え始めました。

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