理究の哲学(エンジン)

第五章 保育・幼児教育の考察①

5【入学前の最重要チェック4項目】(2012.01.30 掲載)

毎年3月になると年長児は、新しい世界にはばたく。テレビCMに“♪ピッカピッカの~1年生♪”というのがあった。多くの園児が、母親の庇護から巣立つ。誇らしげに大きなランドセルを背負う彼らは、皆無邪気だ。
一方、親の不安は尽きない。学校に馴染むだろうか、担任はどんな先生だろうか、いじめにあわないだろうか。自分でコントロール出来ないことは考えないことだ。親として、入学前に出来ることは何かを考えたい。
第1に、「生活習慣」を総チェックしておきたい。「早寝、早起き、朝ごはん」の重要性を説いている教育評論家もいる。勿論、異論はないだろう。寝不足で学校でシャンとできないようでは学習面で支障をきたすのは明らかだ。が、神経質になる必要はない。3週間あれば、習慣は身につく。まだ、十分間に合う。深刻なのは、テレビやゲームに支配されている家庭だ。受動的かつ個人的な行いは、人間を成長させない。時間を制限させるべきだ。
第2に、対人関係を円滑にさせるための「行動5原則」が出来ているかどうかを確認すること。①挨拶②返事③準備④片付け⑤時間 の5つ。
地域力の希薄化が原因だろう、挨拶や返事ができない子供が増えている。親がしないから子もしない、が実情だろう。「おはよう」で始まり「おやすみ」で終わる。この当たり前が意外とできない。親が声を出すことだ。
これも習慣だ。出かける時の準備や片付けなど子供は時間が掛かる。大人の時間感覚と子供では違う。できるだけ自分でやらせること。失敗しても自分でやろうとしたことは、知恵になる。
第3として、身体をちょっぴり鍛えること。小学校の授業が魅力的で楽しければ、多くの小1プロブレン(幼児生活と小学校のギャップによるトラブル)は解消する。が、残念ながら現実はそうではない。ある程度「我慢をする精神力」と「背筋をピシッと支える体幹」を鍛えておきたい。そのためには、姿勢を質して座り続ける。ある一定の距離を歩く、走る。昼間、元気よく遊んでいられる体力があるかどうかを見極めることだ。カロリーの摂りすぎによる肥満は避けておきたい。
第4として、自立心を育てること刺激すること。方法として、お手伝いや食事作りがある。食事は毎日のこと。最初は手がかかるが、トレーニングすればすごい成果が得られる。ご飯を炊く、味噌汁を作る、卵焼きをつくる。買い物から、段取り、片付け、子ども自身ができることを増やす援助をする。大人から感謝されれば“自信”もつく。
一番避けなければならないのは、大人が「イライラ、カッカ」して子どもを萎縮させることだ。
「♪一年生になったら、一年生になったら、友達百人できるかな♪」の歌のようなおおらかさで準備したい。

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