理究の哲学(エンジン)

第六章 保育・幼児教育の考察②③

第三項 雑感① 記録について

記録は、私たちの保育、教育をバックアップしてくれます。また、どんどん消える記憶をサポートしてくれます。
私は、若い頃「どんちゃか村幼稚園」で縦割り教育(3歳~5歳児)を実践していました。指導案と記録などは、「ノート」(標題は“生きる力”)を使っていました。
下記に紹介するのは、“働きかけの強い子のとの何気ない会話記録”です。子ども一人ひとりの特徴・能力、家庭生活実態など理解するのに、よく会話の記録をチームで共有化しました。
この記録を読むと30年前の“あの時、あの場所で”が鮮明に蘇るので不思議です。

【“生きる力 ノート”の記録】

M(年中女子)とT(あんぱんまん)

電車に乗って、横浜駅。そこからバスにのって横浜国大探検。
バスからスケート場やボーリング場などもある施設が見える。

M:『ねぇ、アンパン。ほらあそこ。きのう あそこにいったんだよ』
T:『う~ん、あれってボウリング場のあるところだね』
M:『なにしにいったとおもう?』
T:『そうだなぁ、スケート?』
M:『ブブブー、バがつくものだよ』
T:『う~ん、バ・バ・バ・・バレーしたの?』
M:『ブブブー、つまさきはつかわないの。バのつくもの』
T:『え?う~ん。バのつくものねぇ~。う~ん、バイクに乗った?』
M:『ブブブー、バイクはおとなののりものでしょ。じゃあ、ヒントね、てをつかうよ』
T:『あ、あ、もしかして、とっても楽しいやつだろう?』
M:(にこっとして)『ピンポーン!』
T:『わかったぞ、わかった!バイオリンだ』
M:『じゃあ、どんなきょくひいたか?』
T:『きょく?Mは曲を弾けるの?』
M:(うれしそうに)『あたりまえでしょ』
T:『そうか、すごいな。そうか、その曲って・・ぞうさん?』
M:『バカバカバカ、もっともっとむずかしいのじゃい!』

固定ページ:
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105

106

107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130