神奈川新聞 連載コラム

20回 ステップアップ!(幼児教育編)運動のセンスを磨くには

  • 2013.7.8

ステップアップ!!〈幼児編〉

Q. 運動のセンスを磨くには
A. 動く遊びを楽しませる

 「この子は運動神経が鈍い」と嘆く親を時々見かける。周りに迷惑をかけて申し訳ない、というエクスキューズだろう。が、しかし、わが子の前での酷評はご法度としたい。マイナス面を刷り込んで、これからの人生を狭める権利は親にはない。
 運動センスは幼児期に磨かれる、と経験上感じる。「水泳教室に通っている」「サッカークラブに入っている」から、身体能力=運動能力が身に付くと多くの親は思いがち。だが、実はそうではない。
 近年、一つのスポーツだけでは養えない「多様な動き」や「自ら工夫する動き」などが運動能力を養うキーワードになっている。
 運動身体能力は、特に3歳から4歳の発達速度が大きいことが文部科学省の調査でも報告されている。同省の運動指針では、次の三つに分けている。
  ⓵立つ、座る、転がる、回るなど【体のバランスを取る動き】
  ⓶歩く、走る、登る、跳ぶなど【体を移動する動き】
  ⓷持つ、運ぶ、投げる、捕るなど【用具を操作する動き】
 小学校入学前に、これら三つの動きを洗練化させよう、というものだ。
さて、幼児期では「動く遊びを楽しませる」が大原則。幼児と運動するときは、大人自身の心に余裕があるかどうかがポイント。余裕があれば、自然に笑顔も出る。「ダメだ」「下手だ」「根性ないぞ」などはNG。特に父親で中途半端に運動部に属していた方の中に、「度を越す指導」を時々耳目する。要注意。
 幼子はできないのが当たり前。8歳ぐらいまでは集中力が続かず、常に新しいものに興味が移る子が多い。楽しく遊ぶ雰囲気づくりに努めることだ。
 年中、年長ぐらいから勝敗にこだわる子も出てくる。それはそれでよい。意欲的になるきっかけは個性に任せればよい。
 おすすめは、家庭で取り組める自転車、一輪車のようなバランスをとりながら移動する運動や、ボールを投げたり、取ったり、蹴ったりして、敏しょう性や動体視力を鍛える運動だ。
ボールも大・中・小とさまざまだ。家の中で遊ぶのなら新聞紙を丸めて作るボールがいい。買って与えるより、工夫して道具を作って遊ぶほうが、断然教育的だ。
 「やりたい!」と意欲的になる瞬間や場面がある。パパとじゃれ合うだけでも「身体運動能力」を高めるきっかけになる。
 暑い夏が始まる。わが子と一緒に汗をかこう。汗-健康のバロメーターでもある。

(どんちゃか・理英会代表 米田 正人)