神奈川新聞 連載コラム

11回 ステップアップ!(幼児教育編)社会性能力を養うとは?

  • 2012.8.20

ステップアップ!!〈幼児編〉

Q. 社会性能力を養うとは?
A. 基本的生活習慣が前提条件

 「子育て方程式」なる育児書を著したことがある。当然ながら、中学生で習う方程式を意味しない。子育てには、“解”が二つ、三つ、時には“解なし”さえある。だから、子育ては大変である。
 よって、育児に絶対的な「何か」や「即席的なマニュアル」を求める気持ちはわかる。が、追従的にならぬよう気を付けたい。よって、このコラムも人によって当てはまらないことがある。あしからず。

 さて、前回に続き、社会性の能力について触れよう。日本の幼稚園、保育園では「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5領域で教育が考えられている。小中学校では「人間関係」という科目はない。つまり、幼児教育は人間関係の教育という視点で見れば手厚く、優れているといえる。圧倒的に女性の先生が多いのもプラスに働くことが多い。
 幼児教育は、学校に上がる準備教育としての役割を負っている。なぜならば、学校ではクラスとして勉強し、クラスとして行動していく。よってその善悪は別として、集団行動できることが至上命令となる。多くの親はそのことを知っているが、中には小学入学直前になってから慌てる親もいる。過保護状態から急に「自分のことは自分ですること!」だの「もっと早く!きちんとしなさい!」だの「そんなことでは小学校でのけ者になる」だの、脅し文句で説教し始める。
 子どもにとっては、たまらない。期待や希望などわくわく感こそが、成長のエネルギー。場当たりの躾で、苦行をさせてはならない。親の緊張感は子に伝わる。

 では、どうするのか。「備えあれば憂いなし」。余裕をもって、基本的生活習慣をつけさせること。これが、社会性能力を養う前提条件となる。
 ただ、集団行動ができるといっても、“金魚の糞”状態では、心もとない。やはり、仲間と協力できる。責任を持って役割を果たす。自分の意見をはっきり伝える。大勢の前でも物おじしない(人前力と呼んでいる)。そんな能力を少しでも付けさせたい。
 人前力は、経験で能力を伸ばすことができる。前回のコラムでも触れた「声を出す」ことが基本。近所や親類との連絡は子どもにやらせたい。リハーサルをしてやれば、安心して行動できる。家庭の中での役割を与えて、「自己肯定感」(自分はやればできるという感覚)を持たせたい。
 この夏、「よく頑張ったね」「○○ができるようになったね」「おかあさん、〇〇ちゃんがいたから助かったよ。ありがとう」。そんなことを言える経験を子どもにさせたい。

(どんちゃか・理英会代表 米田 正人)