神奈川新聞 連載コラム

103回 ザ・チャレンジ!(小学校受験編)小学校入試の行動観察なぜ多くで再開?

  • 2023.1.13

神奈川新聞 2023年1月8日 朝刊掲載
理英会 入試対策室 室長 久野康晴

【紙面本文】

小学校入試の行動観察なぜ多くで再開?
点数で表せない子どもらしさを見るため

2023年度小学校入試(2022年秋実施)では、一時期減少気味だった「行動観察」の項目が、多くの学校で戻ってきている印象を受けました。これは昨年に続く傾向です。
行動観察は、集団での課題遊び、競争ゲーム、自由遊びなどを通じて友だちとの関わりを見るのですが、コロナ禍で実施を取りやめた学校が多かったのです。

▼行動観察を今年復活させた小学校
田園調布雙葉学園、東洋英和女学院、青山学院横浜英和、カリタス、湘南学園、清泉、聖ヨゼフ学園、洗足学園、森村学園 など

小学校受験の内容は机上のペーパー中心でないところに奥深さがあります。
そんな小学校受験の主な考査項目は六つです。

▼小学校受験の考査項目
1.ペーパー 2.絵画制作 3.運動 4.行動観察 5.個別(子どもの様子を1~3人程度ずつ見る) 6.面接(親子、親のみ)

上記の考査項目を通して見られるのは、子どもの点数で表せないさまざまな能力や子どもらしさです。
子どもの能力には、ペーパーの問題に正しく解答できる力のように、明確に数値化できるもののあります。その一方で、数値化できないものもたくさんあるのです。
「運動」と言ってもアスリートになることを求めるようなものではありませんし、「絵画制作」も芸術家になることを求めているようなものではありません。
「正or誤」「勝or負」のような単純な二元論で判断するのではなく、柔軟な見方が必要になります。
具体的には次のような観点です。
ご家庭でお子さまの成長を見守る際の参考になれば幸いです。

▼小学校受験 身につけたいポイント
・話を聞くときの目や表情
・粘り強くがんばる姿勢
・ていねいな取り組み
・子どもらしいことば

このような、子ども一人一人の心の成長や性格によって違ってくるであろう、子ども自身が考えて行動するプロセスこそ、ぜひ見てほしいです。