神奈川新聞 連載コラム

105回 ザ・チャレンジ!(小学校受験編)小学校受験 行動観察の種類は?

  • 2023.3.8

神奈川新聞 2023年3月5日 朝刊掲載
理英会 入試対策室 室長 久野康晴

【紙面本文】

小学校受験 行動観察の種類は?
遊びやゲームを通じた集団行動

2022年秋の小学校入試の中から、今回は小学校受験らしい入試項目である「行動観察」を取り上げて解説します。
行動観察は、集団での遊びやゲームを通じて友達との関わりを見るものです。
コロナ禍で実施を取りやめた学校が多かったものの、多くの学校で入試項目に戻って来ています。
行動観察を通して学校での集団生活を見据えて、他の人のことを考えられるか、思いやりがあるか、自分勝手なふるまいで他の人に迷惑をかけないかなどが見られます。

また、人の話を聞くことに加え、自分の意見をしっかり伝え、他者と協力することができるかどうかも見られています。
文字通り自由に遊ぶ「自由遊び」は、シンプルですが、ふだんの子どもの様子がとてもよく分かりますし、テーマを決めた「課題遊び」、チームで競い合う「競争ゲーム」でも子どもたちの日頃の人との関わり方が表れます。

競争ゲームでは、子どもの性格や生活の中で身に付けた知恵が表れやすく、加えて、正解のない問題に、自分の頭で考え、また仲間と相談しながら考え、力を合わせて立ち向かっていく姿勢が表れます。
以下に競争ゲームの2022年秋の出題例を示します。

桐蔭学園小学校では、画用紙、トイレットペーパーの芯、マスキングテープ、輪ゴム、モールなどを使用して長いひもをつくる出題、カプラ、割り箸、モールなどを使用して高く積み上げる出題がありました。

成城学園初等学校ではキャップ積み競争。
雙葉小学校、聖心女子学院初等科では、紙コップタワーづくりが出ています。

コロナ禍で人と接する機会が大幅に減っていますし、マスクの着用で、友達や先生の表情を見ることが十分にできず、相手がしたいことや考えていることを想像することがコロナ禍前よりも上手くいかないこともあるでしょう。
そんな中でも、子どもたちは一生懸命相手の様子を見たり、考えたりしています。

※考査の内容は理英会の出口調査にもとづいています。実際には若干の相違がある場合がございますこと、ご了承ください。