神奈川新聞 連載コラム

110回 ザ・チャレンジ!(小学校受験編)ペーパーテストで求められる学力は?

  • 2023.8.23

神奈川新聞 2023年8月20日 朝刊掲載
理英会 鈴木里美

【紙面本文】

ペーパーテストで求められる学力は?
話の内容把握や図形理解 生活常識問う設問も

今回は小学校受験に出題されるペーパーテストについて、横浜国立大学教育学部付属横浜小学校を例に解説します。
ペーパーの学力面を4つの項目に分けて解説します。

① 話の記憶
絵を見ないで、400文字程度の話を聞いて話の全体把握、時系列、心情を汲み取る必要があります。
家庭で毎日、絵本の読み聞かせをしましょう。
読み終わった後、どんなお話だったか、どんな気持ちだったか思い返して話をすることが重要です。

② 数量
ただ数を数えるだけでなく、差を求めたり、いくつ多いですかという操作があったりします。
プリント上だけでなく、おはじきを使って具体物を操作して練習するなどの工夫をしてみましょう。
問題の言葉を聞いて、合わせるのか、差を求めるのか、分けるのかの意味がわかることが大事なので、いろいろな言葉で聞き取る練習をしましょう。

③ 図形・推理
図形の回転や、折り紙を2つ折り4つ折りにして形を切って広げたらどうなるか、経験をしないと理解できない問題がでてきます。
実際に絵をまわしたり、折り紙を切って広げたり、実験してみましょう。
「へえ、こうなるんだ」という体験がペーパーでの理解につながります。
いろんな形のパズルを、実際手を動かして作ることが理解への近道です。

④ 常識
生活常識は、台所用品、季節、童謡など、意識しないと身につかないものばかりです。
お手伝いを通して、ものの名前や使い方を覚えたり、季節行事を体験したり、童謡も一緒に歌いましょう。
野菜や果物の切り口の問題も出ています。
食べ物を縦や横に切って、切り口の違いを体験してみてください。
本物で実験すると、お子さまはぐっと集中し、頭にも残ります。

※考査の内容は理英会の出口調査にもとづいています。
実際には若干の相違がある場合がございますこと、ご了承ください。