神奈川新聞 連載コラム

114回 ザ・チャレンジ!(小学校受験編)小学校受験で重要な二つのジリツとは?

  • 2024.1.17

神奈川新聞 2023年1月14日 朝刊掲載
理英会 入試対策室

【紙面本文】

小学校受験で重要な二つの「ジリツ」とは?
自立と自律、勇気とガマン

小学校受験では子どもたちに自制心、自立心が要求されています。
子どもたちは本来、走り回ることが大好きですが、止まるべき時に止まったままでいなければならない場面が受験ではたくさん存在します。
例えば、ペーパー問題。小学校受験の場合、文章では出題されず、先生が口頭で問題を読みあげます。
多くの学校では1回でしっかり聞き取らなければなりません。
当然、出題内容を聞き取るためには静かに止まって、よく話を聞かなければなりません。

小学校受験で重要なのは、2つの「ジリツ」です。一つは他の人に頼らず自分ひとりで行動できるという意味の「自立」です。
そして、もう一つが自分を律することができるという意味の「自律」です。
保護者や子ども向けに、よりわかりやすく伝えるために「自立と自律」のそれぞれを「勇気とガマン」と言い換えて説明することもあります。
特に子どもたちに向けては「勇気、ガマン、どっちもできたら、とてもかっこいいよね」と声をかけ意識してもらいます。

この「自立と自律」は、小学校受験だけでなく、中学校受験を考えるご家庭にも重要です。
中学受験においても、早期から意識して取り組みましょう。
また、高校や大学受験では、受験生自身がさらに自立し、自分で志望校を決定し、その目標に向かって努力する姿勢が求められます。
例えば、「お母さん、決めたよ。〇〇高校に行くために勉強する」という発言は、高校・大学受験生にとって一般的なものです。
しかし、中学受験段階では、子どもたちはまだ完全に自立していないため、多くの場合、保護者のサポートが必要となります。
何事もそうですが、受験も早くから慣れることが有利に働きます。

最終的には本番当日の実力勝負ですが、小学6年生の子どもが中学受験の本番当日にアウトプットできる力を積み上げて行こうとした場合、それまでの積み重ねが、より多い方が力を発揮できることでしょう。
小学校・中学校受験を考えた場合、幼児期から「ジリツ」を意識した子育てをぜひ考えてください。