神奈川新聞 2024年9月23日 朝刊掲載
理英会川崎ルフロン校 教室長 赤坂宏弥
【紙面本文】
季節に関する出題どう対処?
伝統的な行事に触れる機会を!
「同じ季節の絵を選んで丸をつけましょう」こういった季節に関する知識を問う出題が小学校受験ではあります。
大人は今まで何十回も四季を経験していますが、子どもたちは、まだ数回しか経験していないため意識的に覚えることが重要です。
子どもたちはクリスマスが大好きです。
教わらなくても、詳しくよく知っています。ではお正月はどうでしょうか。
先日、授業でしめ飾りや門松について話したところ、子どもたちからは「何それ?」という反応でした。
「門松ってね」と説明すると「それ、デパートの入り口に飾ってあった!」と答える子どもがいました。でも、これで十分です。
機会があれば、実際に門松や、しめ飾りに触れさせてあげてくだされば、結構ですが、最近は日本の伝統的な行事自体をご家庭であまり行わなくなっています。
そのため、街中で見かけた時に触れる機会が大切になってきています。
また、ひな祭りは女の子たちはよく知っている行事です。
しかし、男の子たちはあまり経験しておらず、記憶に残っていないかもしれません。
でも「男の子だから知らないのは仕方ないね」で終わらせず、何らかのかたちで紹介してあげてください。
ひな祭りの唄を聞いたり、ひなあられを食べたり、調べてみたりすることが効果的です。
「ひな祭りって、桃の節句だから桃の花を飾るんだね」「ひなあられ美味しいね」と、五感に訴えるようなアプローチが特に効果的です。
季節ごとの香りを嗅いだり、触ったり、伝統的な食べ物を味わったりすることで、その季節をより深く感じて記憶することができます。
七夕の時期には願い事を書いて笹に飾る。秋はお月見をしてみるなど、こうした体験を通じ、子どもたちが季節の行事を楽しみながら、より深く理解することができます。
家庭で行う行事が減少する中、学校での季節体験は重要な役割を果たしています。
こうした出題は子どもたちに四季の移り変わりや日本の文化を感じ取り、次世代へと伝えていきたいという学校のメッセージなのです。