神奈川新聞 2025年4月14日 朝刊掲載
理英会 入試対策室 室長 久野康晴
【紙面本文】
制作活動の設問対応するには?
五感を使って遊び表現力を磨こう
2024年秋実施の小学校受験に出題された特徴的な問題をご紹介します。今回は慶應義塾横浜初等部です。
【問題】
①世の中にはさまざまな飲み物があるため、新しい飲み物を考えるのは大変です。そこで、新しい飲み物を考えて作ってください。材料は、ペットボトルと色画用紙・モール・お花紙・アルミホイル・紙テープです。
②4人グループになり、時間になったら、友だち同士で作ったものを紹介し合います。
③それが終わったら、ペットボトルのキャップを指ではじいてゴールまで進めます。
④ゴールについた人から、友だちの作ったペットボトルの飲み物を選ぶことができます。
【ポイント】
子どもたちは、お花紙・アルミホイル・紙テープなどを自分の指で触ったことがあるでしょうか。材料の素材が紙の厚さや強さ、指の感触などさまざま工夫されています。ひと昔前の子どもたちだったら、ペットボトルのキャップを指ではじく遊びをやったことがあるかもしれませんが、今の子どもたちはどうでしょうか。最近はスマートフォンやタブレットで、指先のタッチやスワイプだけで遊びが終わっているかもしれません。幼児期はふだんの生活の中で、五感を使った活動を意識的に取り入れたいですね。
また、作った制作物を友だちに紹介する際ですが、相手は見ただけではどんな飲み物か分からないと思います。そこで、制作物について自分のことばで表現し、友だちに理解してもらえるように伝えられるかがポイントになります。こうしたことが入学後の友だちや先生とのコミュニケーションの前提になっているのです。
自分が体験した新しいことを「言語」「絵画」「制作物」で他の人に伝えて、理解してもらう練習や、同学年の友だちに理解してもらえるように言語表現できるようにしましょう。
※考査の内容は理英会の出口調査にもとづいています。実際には若干の相違がある場合がございますこと、ご了承ください。