神奈川新聞 連載コラム

135回 ザ・チャレンジ!(小学校受験編)集中力を問う設問 必要な対策は?

  • 2026.10.19

神奈川新聞 2026年10月12日 朝刊掲載
理英会 入試対策室 室長 久野康晴

【紙面本文】

集中力を問う設問 必要な対策は?
お絵かきやお手伝い やり遂げる機会を

小学校受験の近年の出題から特徴的な問題のご紹介です。今回は慶應義塾横浜初等部の問題から1題。
<問題>
クマさんからクマさんの家まで、決められた道をたどって進みます。途中にはさまざまな形が置かれており、それらの形にぶつからないように注意しながら、スタートからゴールまで線を描く問題です。

<ポイント>
この課題は、途中の形にぶつからないよう、細い道を最後まで正確にたどる問題です。
ルールは理解しやすい一方、先を見ながら丁寧に線を引き続ける必要があります。超難関校と言われる慶應義塾横浜初等部でも、このような問題が出題されることは興味深い点です。難しい知識や特別なテクニックだけでなく、目の前の課題に向き合い、「一つのことに集中してやりきる力」が大切にされていることがうかがえます。

この問題では、集中力に加え、目と手を連動させる力や、筆記具を自在に使う「運筆力」、形との距離を捉える力が求められます。急いだり気が緩んだりすると形にぶつかるため、最後まで注意を保って取り組む姿勢も問われます。

こうした力は、小学校入学後、先生の話を最後まで聞く、文字を丁寧に書く、プリントや制作に集中するなど、学習や生活のさまざまな場面につながります。「分かっていることを丁寧に実行する力」は、学力を伸ばすうえでも大切な土台となります。

ご家庭では、難しい問題を数多く解かせるだけでなく、一つのことにじっくり取り組む時間を大切にしてください。お絵描きや折り紙、工作、パズル、お手伝いなど身近な活動でも十分です。大人が手を出しすぎず、子ども自身が最後までやりきる経験を積ませ、「最後まで集中できたね」と取り組む姿勢を認めることが、学びに向かう力を育てます。

※考査の内容は理英会の出口調査にもとづいています。実際には若干の相違がある場合がございますこと、ご了承ください。