神奈川新聞 連載コラム

14回 ステップアップ!(幼児教育編)言語能力を身に付けるには

  • 2012.12.3

ステップアップ!!〈幼児編〉

Q.言語能力を身に付けるには?
A.家庭で語彙数増やす工夫を

近い将来課題となる学力、その土台は言語能力だ。伝達の道具であり、思考の道具である。日本で生きるならば、まず日本語をしっかり学ばせること。これは家庭教育の責任である。
 小学校1年生の段階で、勉強ができる子と苦労する子では、語彙数が2倍から3倍程度違うという調査方向がある。ゼロ歳からの積み重ねであり、その差は幼児期にできたものだ。
 人は誕生した瞬間から一人前の人間になるために言葉を習得する。といっても、発話はおよそ満1歳頃に始まるが、「見た目」の言語発達は遅々としている。理解できる言葉の数は、満2歳で300語程度だ。
 「記憶領域」がしっかりできあがる2,3歳になると語彙数も格段に増える。この時期は「身体運動能力」も高まり自立性が強まる。行動半径は広がる。遊び仲間とのやりとりも増え、発話する言葉が増える。ただ、個人差があるので親は焦らないことだ。耳が聞こえて、日常生活が普通ならば、自然に会話ができるようになる。
 さて、語彙数を増やす工夫について触れよう。
 ポイントは三つ。
 一つ目は、両親の発話の習慣をちょっぴり見直すこと。たとえば、「早く」「きちんと」「ちゃんと」など単語だけの連発を避ける。主語・述語を入れた会話を心掛けるだけで子どもは変わる。こつは、子どもの言葉を復唱し、確認するだけでいい。親が子どもの言葉に耳を傾けることがスタート。「〇〇ちゃんは今、●●したいんだね」と、ゆっくり声に出す。
 二つ目は考え方。「以心伝心」で何でも分かり合えるという幻想をなくすこと。空気を読むことより、表現する、できることを大事にさせたい。
 三つ目は、テレビ漬けにしない工夫をすること。まずは食事中にテレビを消す。むやみにテレビをつけないルールを決めることだ。ブロックや折り紙、おもちゃ、塗り絵など一人遊びができる道具や時間と空間を確保する。一方向からの受動的な対応だけでは、語彙数は増えない。
 きちんとした日本語を話すことが、わが子への“教育投資”につながると考えると気が楽になる。それに加え、あなた自身もすてきになれる。
 すべての学習の基本は「反復」と「継続」。幼児教育の「言語」領域の基礎は、ママとパパがつくっている。

(どんちゃか・理英会 代表 米田正人)