神奈川新聞 連載コラム

15回 ステップアップ!(幼児教育編)問題解決能力を高めるには

  • 2013.1.21

ステップアップ!!〈幼児編〉

Q. 問題解決能力を高めるには
A.「親子で一緒に家事」が有効

イソップ物語に、喉が渇いているカラスが水を飲もうとする場面がある。何度も失敗し、それでも諦めず、最後にわずかに水のたまった入れ物に石を入れて水かさを上げ、うまく水を飲む、という話。カラスにも「問題解決能力がある」ということを示す例だ。
 都会のカラスはごみをあさり、まき散らし、今ではすっかり嫌われ者だ。取り締まる人間との知恵比べをしている。あのたくましさと賢さには驚く。自然の中で生き抜く知恵を身に付けているのだろう。
 すっかり過保護にされている日本の幼児に“自然の中で強く生きよう”はあまりに現実感がない。
さて今回は「問題解決能力」について触れたい。有効なのは、親子で一緒に何かをやることだ。特別な体裁ではなく、日々繰り返される家事に参加させることで、能力開発になる。
 4歳ぐらいになれば多くの子どもは、家族の一員として家事をすることができる。掃除、洗濯、食事…ママだけが家事をするのは知育上もったいない。
 例えば、カレーライスづくり。子どもと一緒に買い出しから始めたい。行くときは大きな文字でメモをするとよい。初めは理解できなくても、繰り返せば要領をつかむようになる。
 スーパーマーケットは、絶好の学習の場だ。牛肉、豚肉、鶏肉。部位によっても値段が異なる。
 見て、比べる。手に取って、比べる。いくつ必要なのかを数える。日々何げなくしている親の行動は、幼児にとって「知育操作」となる。
 自分が食するモノの名前を覚える、という知的営みも少し意識するといい。モノを覚えるのは“繰り返し”と“好き”が大事になる。
 包丁の取り扱いは、親として勇気がいる。まずは親が見本を見せることだ。ここはパパの出番だ。5歳児ぐらいから挑戦させたい。火を扱うことも学ばせたい。危険が伴うので、慎重に。親の目と協力があればできる。
 カップラーメン一つで、時間間隔を学ぶことができる。自分自身で、カップにお湯を入れる“冒険”があるからこそ“3分”“5分”の意味が違ってくる。
 生活体験を積み重ねると、それが生活科学に変わる。幼児期は、その芽を養う時期だ。生活科学は、原因―結果の関係を理解させる。自分で体験させれば、身に付く。失敗を見守る、許す家庭教育力が問題解決能力を高める。

(どんちゃか・理英会代表 米田 正人)