神奈川新聞 連載コラム

26回 ステップアップ!(幼児教育編)言葉の習得で親の役目は?

  • 2014.2.3

【テレビ、ゲームはコントロールすること】
神奈川新聞2014年2月3日 朝刊掲載

言語学者のノーム・チョムスキーの次のような主張は、子どもを育てるとよく理解できる。「日本語であれ、英語であれ、フランス語であれ、子どもは同じ時期にことばを習得する。したがって、人間には言語を獲得する能力がもともと備わっている」
先天的障害や疾病等で言(げん)語(ご)機(き)能(のう)が失われない限り、言葉の習得に個人差はあるものの、3歳ぐらいになると皆しゃべるようになる。
しかし、小学校に上がるようになると、いや、年少、年中ぐらいから言語能力の獲得に明らかな差がでる。
これはどうしたことだろうか。
能力の発達には遺(い)伝(でん)的(てき)要(よう)素(そ)と環(かん)境(きょう)的(てき)要(よう)素(そ)がある。後者は努力と工夫と考え方で変えられることができる。ならば、環境は、親が作ればいい。
東北大学研究グループがテレビの長時間視聴時間の影響を発表した。言語知能を司る脳の前頭前野に悪影響を与える、というものだ。
研究結果を聞くまでもなくテレビの視聴制限の必要性は、親なら感じるところだろう。ただ、それが簡単ではない。なぜならば、テレビやゲームが面白いからである。番組クリエーター達は、自分たちの存在価値をかけ制作している。だから、親も見たい。子供も見ていれば静かである。ゆえに、難問題である。ジャンクフードを食べながらダラダラテレビに釘付けでは、我が子の将来が心配になる。では、どうするのか?
テレビやゲームという“魅力的な怪物”と付き合うためのルールをパパ&ママ間で共通理解し、方針を定めることを勧めたい。
大原則は、“魔物”たちを幼児の段階で親の管理化に置くこと。子育て自由主義者には少々酷かもしれない。細則として、4点
・食事中は見ない ・見たい番組を選択させる・
時間制限(30分〜1時間)を設ける ・ビデオに撮ったものを見せる

基本的生活習慣を身につける幼児の段階だからこそできる方法だ。
小学生になってからでは骨が折れる。相互に無用なストレスを生むことになる。テレビを置かない、全く見せないという選択肢もある。
『テレビが壊れたから、そのままにしておいた。自然に見なくなった』という稀な知人もいた。
言語能力は、コミュ二ケーションの基本となる。親の工夫力は、コストなしの投資として考えてはどうだろう。