ザ・チャレンジ!〈小学校受験編〉
Q.「お話づくり」で見ているものは?
A. 入学後のすべての基礎になる“順序性”
世の中にはいろいろな入試があるが、テレビ番組や電車内広告などで目にする機会の多い中学入試、新聞紙上で紹介される高校入試や大学入試センター試験に比べ、秋に行われる小学校入試はそれほど知られていない。5歳(または6歳)の彼・彼女らはどんな問題を解くのか。学校はどのような考えで問題を作っているのか。いくつかの県内有名小学校の事例から、数回にわたり、このテーマを追いかけてみたい。
「入試問題は学校からのラブレター」という表現があり、幼児教育の現場にいるとなるほどと感じる。逆にいうと、受験生へのメッセージをしっかりと打ち出す学校ほど、力があり、伸び盛りであると思われる。県内屈指の受験校として毎年多くの卒業生を東京・神奈川の難関中学に送り出す小学校の入試も、やはりメッセージは明確だ。
例えば「お話づくり」という課題がある。ブランコに乗ったクマさんが、周りの動物たちに順番をなかなか譲らない。そんな場面の絵が出され、動物たちの気持ちを質問される。当然ながら、答えは道徳性を踏まえたものが期待される。その後、その絵に続く数枚の絵が示され、話の展開を想像して並び替える。順番は必然性があり、話の合理的展開を考えると、答えは一つしかない。順序性という観点が捉えられるか、という問題である。次に、正しく並べ替えた絵の順番に従い、人物の気持ちや情景を豊かに表現しながらお話をつくっていくのだ。
「この問題で何を見ているのですか?」という質問に、入試担当の先生は「順序性ですね。この概念は、お話づくりだけでなく、ペーパーテストでの数の対応や思考力を問う問題でも重要な要素となります。入学後の学習でも、人の話や読み物の内容を理解したり、数の操作をしたりする上で大事な要素になるものです」と答えてくれた。
同小の入試問題は、このほか数的分野を中心に見るペーパーテスト、基礎体力や精神的な頑張りを見る運動テスト、自由な発想を見る絵画、行動観察…と多岐にわたる。6年後の中学入試も見据え、一人一人のもつ潜在能力を丁寧に測ろうとしている。
(どんちゃか理英会・太田 仁)

