ザ・チャレンジ!〈小学校受験編〉
Q. 入学試験内容に影響あたえるものは?
A. 教育方針、受験者の数・レベルなど…
横浜市南区、古代遺跡もある高台に創立136年目を迎えるプロテスタントの学校がある。今回はそちらの入試問題を題材に最近の私立小入試の傾向にも触れてみたい。
まずはボリューム。試験時間が比較的短い割に、問題数は少なくない。「ペーパーテスト」では指示理解から始まり、位置確認・計数・置き換え・等分・重さ比べなど、算数的要素が問われる。その他、巧緻性(手の器用さ)を量る「作業課題」に、跳び箱や鬼ごっこ、自由遊びといった「運動系の課題」。小学校入試では一般的なものが一通り出題されている。そこに絵を見て物語を創造し説明する「お話作り」が加わる。5歳児、6歳児には容易ではないとされている課題だ。話を考えるだけでも時間がかかる。これも含めて2時間半でやり切るのは楽ではないだろう。
ただ、それだけのボリュームを課すには相応の考えがあるはずだ。例えばこの小学校は四つの教育目標を掲げているが、その中の「やりぬくこと」「考えること」が入試問題に具現化されているといえよう。調査によると、選考に際し「結果よりも過程が大切」という方針もあるようで、そこには「受験生一人一人をより深く理解したい」という思いがあるのだろう。
また「行動観察」も昨今の入試では重要なテーマだ。運動にせよ自由遊びにせよ、先生の指示を守れるか、周囲の子と上手に関われるか、といった点は入学後の円滑な学校生活に直接影響するため、これを重視する小学校は増えている。
なお、ここは在校生の7割が南区および隣接7区から通う地域密着型の私立小である。志願者数もほぼ毎年安定し、そのためか入試傾向も例年大きな変化は見られなかった。だが2014年夏に結ばれた都内有名私大との系属校提携の影響は見逃せない。正確には系属提携するのは中高部門だが、小学校にも影響は及ぶ。実際、16年度入試(昨秋実施)の志願者は前年の3倍増となった。受験者のレベルアップ、入試問題の見直しなどさまざまな変化が予想される。今後の動向に目が離せない。
(理英会 元町校教室長・持井 裕子)

