神奈川新聞 連載コラム

46回 ザ・チャレンジ!(小学校受験編)「聞く・話す」英語、ハードルを下げる工夫は?

  • 2016.5.23

 「書く・読む」から「聞く・話す」重視
へと変わる英語教育。県下の私立小学校の
取り組みを取材した。
 3月半ばの午後、藤沢市民会館大ホール
で、あるレッスンが行われていた。南カリ
フォルニアに本部を置く非営利団体「ヤン
グアメリカンズ」による、歌と踊りのワー
クショップのジャパンツアーである(以後
YAと略)。アメリカの10~20代の若者が
全国各地の学校やコミュニティを訪れ、ホ
ームステイをしながら公演をしていくのだ
がそれぞれの地の小中高生が彼らに加わり、
ひとつのステージを創り上げていく。
 今回ここ藤沢市民会館では地元鵠沼にあ
る湘南学園の生徒達が参加している。中高
生に混じり小学生も1~6年まで100名あ
まりが集まっている。レッスンでの指示は
当然英語であるが、身振り手振りも混ざり、
戸惑いもなく、みな嬉々と反応している。
 学園の河本小学校教頭(取材当時。現在
は校長)に話を聞いた。
 -なぜYAに参加を?
 「始まりは保護者からの要望です。『す
ばらしい活動がある』と。子ども達の自己
表現の場として最適だ思いました。もう4
回目ですが、『引っ込み思案な子がこの活
動で積極的になった』という保護者からの
声を毎年聞きますね。」
 -自己表現ならYAでなくても?
 「英語教育的な狙いはもちろんあります。
英語を特別視せず自然に身につけて欲しい
のですが、YAのようにパフォーマンスか
ら入ると、英語にカベがなくなるんですね。
今も舞台では英語で指示されていますが、
あの自然な対応を見ると、子ども達は英語
だと思っていないようですね。」
 YA以外の英語への取り組みも聞いた。
英語授業は今までの4~6年生に加え、昨
春から1年生でも週1回の授業が導入され
ているとのこと。「TT(チームティーチ
ング)の運営向上、教員の英語スキルアッ
プなど日々の教育活動にも地道な努力を続
け、磨き上げていきたい」と校長は語った。
(どんちゃか理英会広報部 倉田秀樹)