神奈川新聞 連載コラム

126回 ザ・チャレンジ!(小学校受験編)協調性を見る「行動観察」設問の内容は?

  • 2025.8.6

神奈川新聞 2025年8月4日 朝刊掲載
理英会 入試対策室 室長 久野康晴

【紙面本文】

協調性を見る「行動観察」設問の内容は?
食べるまねを通じて食べ物を当てる出題も!

2024年秋実施の小学校受験に出題された特徴的な問題をご紹介します。
今回は森村学園初等部(男子)です。
集団の中での協調性を見る「行動観察」の問題です。

【問題】
5~6人のグループになって、1人がクイズの出題者になります。
出題者はカゴにある裏返しのカードをお友だちに見せないように1枚取ります。カードには食べ物の絵が描いてあります。
その食べ物を食べるまねをします。
その様子を見て、お友だちは何を食べているのかを当てるクイズです。
出題者は食べ物の名前や言葉でヒントを言ってはいけません。
分かったお友だちが手を挙げて答え、正解したら、出題者は次のお友だちに変わります。

【ポイント】
子どもらしい表現力をみる問題です。
家で納豆をどんなふうに食べているのか、鮨をどんなふうに食べているのか、また、ステーキをフォークやナイフを使って食べたことがあるかなど、生活の中での実体験が表現に影響します。
そして、お友だちから正解が出ない時に食べまねをしている人はどんな対応をするかがポイントです。
お友だちが今の食べまねでは分からないのに、同じまねをずっと続けてしまう子もいるでしょう。
また、答えが分からない子どもたちが「それじゃあ、分からないよ」と強い言葉で食べまねをしている人を責めてしまうことがあるかもしれません。
お互いに相手のことを考え、違うことをやってみたり、他のまねをお願いできたりすると大変良いです。
森村学園初等部(男子)の行動観察では、この他にも遊園地にあるコーヒーカップやジェットコースター、メリーゴーランドにお友だちと一緒に変身する「集団創作による遊園地ごっこ」やお友だちと輪投げやトランプなどで自由に遊ぶ時間を見る「自由遊び」も実施され、行動観察のボリュームが増え、重視されていることが分かります。

※考査の内容は理英会の出口調査にもとづいています。実際には若干の相違がある場合がございますこと、ご了承ください。