神奈川新聞 連載コラム

127回 ザ・チャレンジ!(小学校受験編)先生の話を聞いて行動 設問の意図は?

  • 2025.9.19

神奈川新聞 2025年9月15日 朝刊掲載
理英会 入試対策室 室長 久野康晴

【紙面本文】

先生の話を聞いて行動 設問の意図は?
入学後の学校生活見据えて出題!

2024年秋実施の小学校受験に出題された特徴的な問題をご紹介します。
今回は湘南白百合学園小学校の問題です。
「魚の餌やり」を題材にした「指示行動、運動」の問題です。

【問題】
子どもは先生に呼ばれるまで、後ろ向き体操座りで待機しています。
先生に呼ばれて指定の位置に立つと、まず、カードを見せられます。カードは次のように2パターンあり、どちらかの指示が言い渡されます。
■青と赤のカード ⇒ 青色の橋(平均台)を渡って、赤色の餌(ボール)を取ります。
■黄と白のカード ⇒ 黄色の橋(平均台)を渡って、白色の餌(ボール)を取ります。
子どもはカードで指示された色の平均台を渡り、指示された色のボールを取ったら、マットの位置から魚が図示されているカゴに向かって投げ入れます。
投げ終わったら、ボールが入っても入らなくても、クマ歩き(四つん這いになり、両手両足を使った歩き方)で最初の場所へ戻ります。
そして、先生から「いいですよ」と言われたら、待機列へ戻ります。

【ポイント】
子どもたちは後ろ向きの体操座りで待っているので、先に取り組んだ他の子どもの様子を事前に見ることができないため、実施順による差が出ないようになっていました。
「魚に餌をあげましょう」という呼びかけから始まる幼児が楽しめそうな課題を通して、話を聞き取る力だけではなく、複数の運動課題が組み合わされ、運動を行う様子も見ることのできる工夫がされた出題でした。
課題になった運動も平均台、ボールの遠投、動物歩きとバランスよく組み合わされた出題でした。
先生の話を聞き、言われたことを理解して覚え、行動できるかを見る課題は、入学後の学校での授業や生活を見据えて出題されています。

※考査の内容は理英会の出口調査にもとづいています。実際には若干の相違がある場合がございますこと、ご了承ください。