神奈川新聞 連載コラム

130回 ザ・チャレンジ!(小学校受験編)「空間把握」の設問 何が問われているの?

  • 2026.2.12

神奈川新聞 2026年2月2日 朝刊掲載
理英会 入試対策室 室長 久野康晴

【紙面本文】

「空間把握」の設問 何が問われているの?
瞬時の判断力に加え 論理的思考力や集中力も

小学校受験の近年の出題から特徴的な問題のご紹介です。今回は精華小学校の論理的思考力と判断のスピードを同時に問う問題です。
<問題>
「星からスタートしてできるだけ多くのリンゴを通って枠の外に出ます。斜めに進むことはできません。黒い部分を通ることはできません。星から通った場所に線を引き、通った数のリンゴに○をつけましょう」

題材は星印からスタートし、黒いマスを避けながらリンゴの並ぶマスを可能な限り多く通過し、枠外へと抜ける経路を求めるという一見シンプルな問題です。しかし、斜め移動が禁止されていることに加え、どの方向に抜けるかで通過できるリンゴの数が大きく変わるため、短時間で最適解に近いルートを捉える高度な判断力が求められています。

<ポイント>
まず、空間把握力と、途中で諦めない粘り強さが必要です。各問題には複数の脱出ルートが存在します。丁寧に数えれば正確なリンゴの数を把握できるものの、実際の解答場面では数える時間は十分に確保されていません。そのため、児童は星からできるだけ遠くへ抜けるという抽象的な感覚を手がかりに、瞬時に有効なルートを見極める必要があります。さらに、進んだ経路に線を描き込み、通過したリンゴに丸印をつける二つの作業が課されている点も特徴です。作業遂行力と集中持続力が試される構成となっています。
この問題では総合すると次のような力が必要です。
①「空間認知力」:全体の構造を把握して俯瞰的に捉える力、
②「論理的思考・問題解決力」:選択肢が複数ある状況で、最適解を導く能力、
③「柔軟性」:素早く方針転換し別のルートを模索する力、
④「集中力」:道筋を確認しながら根気よく作業する力。

※考査の内容は理英会の出口調査にもとづいています。実際には若干の相違がある場合がございますこと、ご了承ください。