神奈川新聞 連載コラム

24回 ステップアップ!(幼児教育編)人間関係づくりの要点は?

  • 2013.11.25

神奈川新聞2013年11月25日 朝刊掲載

今週のポイント

  • 親子の関係は1対1ではなく、4人家族なら四角関係
  • 写真付き人間関係マップを作ろう
  • 近所のおじさん、おばさんマップの有効

今回のテーマは「人間関係」。この領域は、先生や友達と良好なコミュニケーションがとれるかどうかに集約される。当然、そのベースは親子関係で作られる。
映画「そして父になる」は、「出生時での子どもの取り違い」を通じて、対照的な二つの過程が描かれている。「親子とは何」を考えさせられる話題作だ。二人の父、雄大(リリー・フランキー)と良多(福山雅治)の比較も面白い。父と母と子の三角関係が事件発覚後、微妙に、時に激しく揺れ動く。
そう、親子関係とは、1対1ではない。4人家族ならば四角関係になる。3世帯など大家族であれば関係は複雑になる。関係とは、“やりとり”だから学ぶ機会は増える。核家族であれば、関係性は単純であり、学ぶ機会は少ない。
人間関係の内容を能力開発に結び付ける方法に触れよう。お勧めは、写真付き人間関係マップ(以下PRMP)作り。
まずは親族、血縁関係。ルーツを探るのもいい。言葉だけでなく、可視化すれば関係が深化していく。
一人ひとりの写真を集めよう。家系図を作り上げていくと良い。おじいちゃんは青森生まれで、農家を営んでいる。「だから毎年送られてくるリンゴはうまい」
パパの弟のおじさんは、今は大阪で勤務。青森?大阪?地図も引っ張り出そう。数少ないいとことの交流も大事にしたい。血縁関係はありがたい。子どもらを無条件で受け入れてくれる。相互に“お泊まりごっこ”するだけで、自分の家とは違うルールや習慣、味、においを感じることができるだろう。“違い”が分かり受け入れる。グローバル化に備え、そんな能力を幼いころからつけさせたい。
次にご近所。血縁関係は遠距離になると、盆暮れだけの付き合いになる可能性がある。地域は毎日の関係だ。子どもにあいさつさせよう。地域に溶け込ませよう。周囲から愛されるコツだ。近所のおじさん、おばさんのPRMPを作ろう。そうすれば、自然と名前も覚える。
地域社会の中で、友人関係が生まれる。集団の中には、俗に言う強い子、弱い子さまざま。気が合う、合わないもある。幼児の段階では親の保護がいる。友達の特徴が言えるようになれば、しめたもの。PRMPがあれば、パパもわが子の友達の名前を覚える。
「○○くん、一緒に遊ぼう!」とパパが声を掛ければ子どもも学ぶ。声がけができる能力は、底力となる。入り口での親の助けは結構大きい。

5領域の中の「人間関係」領域のねらい(幼稚園幼児指導要録と保育所児童保育要録のねらいは同じ)

生活を楽しみ、自分の力で行動することの充実感を味わう
身近な人と親しみ、関りを含め、愛情や信頼感を持つ
社会生活における望ましい習慣や態度を身につける