神奈川新聞 連載コラム

33回 ザ・チャレンジ!(幼児教育編)小学校受験をどう見る?

  • 2014.11.3

小学校受験、秋は特別な季節。10月は県内の多くの私立小で入試と合格発表が行われました。そして11月は新年度のスタート。幼児教室各所では体験授業が盛んです。今回の「ザ・チャレンジ」では初めての小学校受験をテーマに、指導する側の視点でお話していきます。受験を迷われている方の参考になれば幸いです。
今年で指導四年目の女性スタッフに質問してみました。
Q この仕事に就いてから小学校受験への見方は変わりましたか?
A はい、最初はエリート養成の「お受験」という先入観がありました。カードやプリントを使って「お勉強」させるだけ、みたいな。でも実際は違いました。受験は保護者がお子さんと向き合い、心と体を成長させる絶好の機会です。考え、知り、学ぶことを通して知性が育つ豊かな時間です。
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 教室ではベテランの部類に入る私も、初めてこの世界に入った15年前は同様でした。「こんな小さい子たちにいろいろ詰め込んで…」と少し否定的な印象を受けたことを覚えています。でもそれがやがて「小さいからこそたくさん吸収できるんだ!」という感動に変わっていったのです。
 入学式も済み、しばらく経った頃にご家族から「受験で身につけた力が入学後にさらに役立っています」と聞くことも少なくありません。受験はゴール? いいえ、スタートなのです。
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 「受験には子どもの向き不向きがありますよね?」と聞かれることがあります。私は一般論ではなく、現場での実感として「子どもは本当に無限の可能性を秘めていますよ」とお答えしています。前述の女性スタッフも言っています「子どもの個性は様々で、私立小にも多様な価値観と教育理念があります。子どもを伸ばす環境は私立小にこそあるんですよね」
 さて、新たな一年が始まります。素敵な出会いがありますように。