神奈川新聞 連載コラム

56回 ザ・チャレンジ!(小学校編)英語や読解力向上、成果の秘策は?

  • 2017.7.31

ザ・チャレンジ!〈小学校編〉

Q. 英語や読解力向上、成果の秘策は?
A. 独自のメソッドを導入

 県内三つめの公立中高一貫校として、横浜市立南高校付属中学校(港南区東永谷)が新設されたのは2012年。今や中学3年生で英検準2級の取得率が8割を超えるなど、全国有数の結果を出す学校になっている。その要因の一つに独自の学習法がある。同校では1年間に英語の教科書を5回繰り返すという学習法を取り入れている。1周目は音声聴取。2周目は音と文字の一致。3周目で音読を始める。4周目は穴開きの本文の音読。5周目には教科書のストーリーを英語で説明させる。5周目が終わる11月頃には自分で考えたストーリーを英語で書く力がついているそうだ。
 この学習法を導入した初代校長の高橋正尚さんは4年間の任期の後、16年度から鎌倉女子大学教授に就任。17年度から初等部(鎌倉市岩瀬)の部長(校長に相当)の業務を担当。現在、学園の改革に取り組んでいる。
 学力向上プログラムとして、全学年での外国語活動や英語集中講座、放課後の「学びの時間」を充実させるための講習(60分希望制=国語・算数・英語・理科・社会)、図書館の開放。さらに学童保育のアフタースクールも新設し、楽しみながら読解力を身に付けられる読書プログラムを導入して、学童保育の新たなかたちを提示している。
 学童の教室をのぞくと、子どもたちが黙々と読書中である。ヘッドホンから流れる朗読音声を聞きながら読書をしていた。この読書プログラムも前述の英語学習法と同じように「音声を聴くこと」「音と文字を一致させること」を重視しているわけだ。また、本のタイトルごとに作成された専用教材を使って、読書の前後に文章中の語句や表現の意味を確かめている。ただ本を読むだけでなく、指導員の添削も受けながら、言葉がわかる喜びや達成感を感じている。それが集中力の継続につながるのだろう。
 通っている小学1年生の子どもたちに感想を聞いた。「初めて来たときから楽しい」と言う子、読んだ本の内容をくわしく説明してくれる子などがいた。読書習慣の定着には最適なプログラムだろう。

(どんちゃか・理英会 薗田隆平)