神奈川新聞 連載コラム

101回 ザ・チャレンジ!(小学校受験編)生活力を見る入試の課題とは?

  • 2022.10.18

神奈川新聞 2022年10月17日 朝刊掲載
理英会 入試対策室 室長 久野康晴

【紙面本文】

生活力を見る入試の課題とは?
配膳、ちりとり、家の手伝いの応用

10月、小学校受験シーズンの到来のです。今回は、近年の出題例から、小学校受験特有の「子どもたちの生活力をみる課題」を、東京の女子校を中心に紹介します。

白百合学園小学校では「お茶わん、おわん、魚、箸を、トレイの上にどうやって並べますか。自分で並べてください」という配膳の問題が出ました。いくつかのイラストから正しいものを選ぶ問題が出ることがありますが、今回はお茶わん、おわんは本物で、箸は塗り箸でした。
また、容器の中に入っている白いご飯(スポンジの複製品)を箸でお茶わんの中に移す課題も出ました。
どちらも女子校ではよく出題される内容です。箸の使い方は田園調布雙葉小学校、立教女学院小学校でも出題されました。
正しい配膳は大人でもなかなか難しいものです。

田園調布雙葉小学校では、ちりとりについて説明する問題が出ました。
最近の家庭では自走式のコードレス掃除機が主流になってきました。
フローリング、カーペット、畳などの掃除場所によるモード切り替えもできますし、掃除ロボットもあり、ちりとりを使う場面は玄関前を掃くときぐらいで、ちりとり自体がない家も少なくないでしょう。

雙葉小学校では「画用紙に目玉クリップで紐を止めましょう」という課題が出ました。
目玉クリップを初めて触る子どもが多かったと思います。
幼児教室では洗濯ばさみを授業で使うところはあると思いますが、目玉クリップを扱ったところはあまりないでしょう。
このように、各学校で日常生活の体験や家のお手伝いの応用編としての出題がされています。

※考査の内容は理英会の出口調査にもとづいております。
実際には若干の相違がある場合がございますこと、ご了承ください。