神奈川新聞 連載コラム

63回 ザ・チャレンジ!(幼児教育編)「マザリーズ」とは?

  • 2018.6.25

愛知学泉短期大学 教授 児玉珠美氏
神奈川新聞 2018年6月25日 朝刊掲載

赤ちゃんを見て「あら、かわいい~!」と思わず声をかけたことはありませんか。
このとき自然と出る高めの声を「マザリーズ」と言います。
この声で赤ちゃんは安心し、語りかける母親自身の情緒も安定するとの研究報告があります。
『マザリーズの理論と実践』の編著者、愛知学泉短期大学教授の児玉珠美さんに話を聞きました。

■マザリーズの特徴は?
――赤ちゃんへ声をかけるときの声は、国や民族に関係なく、自然と「やや高め・ゆっくり・抑揚たっぷり」になる特徴があります。
赤ちゃんはこの声が大好きで、聞くと安心します。

■うまく声をかけるにはどうすれば?
――お母さんの中には、思うように赤ちゃんに声をかけてあげられない方も少なくありません。
マザリーズのモデルになる存在が身近にいなかったり、感情を大きく表現することに恥ずかしさを感じてしまったりもあるでしょう。
本来、人間は感情的な生き物です。マザリーズ教室を開講する際、まず、参加するお母さんたちに自分自身を解放してもらうプログラムを行います。
みんなでストレッチや発声練習をし、歌も歌ってもらいます。
そうした後にお母さんたちが赤ちゃんに呼びかけると、0歳児の赤ちゃんたちはすごい集中力で聞くのです。
お母さんたちはその様子を見て、うれしくなり、相乗効果でどんどん声が出てきます。

■マザリーズは言語理解を促すとの研究報告もあるそうですね
――子どもは、話し言葉を聞いて、言葉を覚え始めます。
だから、生まれてから文字を覚えるまでの間に人間の声が好きになることは、コミュニケーション力や言語力を高めるためにもとても重要だといえます。

このようなマザリーズを導入し、豊かな言葉がけを重視するどんちゃか幼児教室の0歳児クラスを取材しました。
この日はわが子に向かい、好きな歌について語りかけをしていました。「お母さんは『大きなのっぽの古時計』が好き。
お姉ちゃんがピアノで弾いてくれるものね~」と抑揚をつけ、歌をまじえた声が教室に響いていました。