理究の哲学(エンジン)

第二章 自分ノ学

第六項 目標設定と記録のススメ

『人間も塗箸と同じや。研いで出てくるのは塗り重ねたもんだけや。
努力してきたもんしか出てこんのや。
一生懸命生きてさえおったら、悩んだこともぉ~落ち込んだこともぉ~
きれいな模様になって出てくる。お前のなりたいもんになれるんやぁ』

― NHK 朝ドラ『ちりとてちん』作:藤本有紀 ―


2015年NHK朝ドラ『希(まれ)』に、「人生設計」を作る場面が出てきます。
そのきっかけは、尊敬するシェフからのメチャぶりの喝、叱咤激励です。
『何だ、その干からびた手つきは!恋をしろ!色恋事件を起こせ!恋もできないやつにケーキは作れない』

素直な主人公は、人生設計(1)を作ります。

20歳   恋の扉を開き、男性を見る眼を養う
20~23歳 修行をしてパティシエとして基礎づくり
25歳   何人かと付き合ったあと、本命に出会う
27歳   結婚する
30歳   独立して、自分のお店を持つ

笑っちゃいそうな10年計画ですが、本人は至って真面目(ドラマなので)。自分の夢・目標であるパティシエになるための努力をします。
しかし、自分の思い通りにいかないのが人生。障害が次から次へと現れます。
偶然も重なり、結婚が早まり、パティシエの仕事は中断します。

そこで人生設計(2)が登場します。

23歳   結婚
23~28歳 輪島塗の第五代目 圭太(夫)をサポート
30歳   結婚式を挙げる
31歳   出産
33歳   パティシエに戻る
・・
・・

これまた、出産が早まり(双子を授かり)育児に専念するので、計画変更です。
紆余曲折しながらも、しかし常に夢・目標に立ち向かいます。
予定では結婚式を挙げることになっていますが、これも出来ません。
苦境の中でも計画を立てる、それを実行しようとする直向さがこの主人公のエネルギッシュな好感度を高めていると、私は感じています。

自分の人生は、誰のものでもありません。
このドラマは、少々漫画チックで劇作ふうのつくりをしていますが、”現実感(リアリティー)のある楽観主義”を貫いていて、朝にはふさわしい展開となっていました。
原作者・脚本家の篠崎絵里子氏は、主人公の希に「夢っちゃ、特別なもんじゃなくって、小さなうれしいことが集まって、でっけい夢になるんやね」と、しみじみ言わせています。

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