理究の哲学(エンジン)

第一章 幸福ノ学

第三項 難題は”感情”の変化

― EQ(Emotional Quotient=感情指数)―

1995年ごろ、ダニエル・ゴールマンの『EQ~こころの知能指数』という本が話題になりました。(EQの概念は、1990年エール大学のピーター・サロヴェイ教授とニューハンプシャー大学のジョン・メイヤー教授が考案。研究は、ハーバード大学のようなエリート・ビジネス・スクールを出ている者が、なぜ社会的成功をしないのか、ということが発端だそうです)

EQ(Emotional Quotient=感情指数)とは、「自分や身近な人の感情を認識し、うまく取り扱う能力」と、定義されています。文字通りに考えてもこのEQ能力は大事ですよね。
感情を爆発させる人は敬遠されます。感情をコントロールできるかどうかは、職業・社会生活の上でかなり大きなウエイトを占めることは、”ハラスメント”洪水の昨今、多くの人が感じていることでしょう。
その証の1つとして、最近、「アンガー・マネージメント」の企業研修が流行っています。”アンガー=Anger=怒り”です。
誰でも持ちえる”怒りの感情”を、上手に、自然に、無理なくコントロールする術を持つことで、人間関係を上手に保つことができる、というものです。
「バカヤロー!何やっているんだ!」と上司が部下に鉄拳を下す。
「何のろのろ仕事やっているんだ、終わるまで帰るな!」と、脅す。
時代遅れも甚だしい現象で、現代ではパワーハラスメント問題になるでしょう。問題外の言動ですが、現実には相当数あるようです。
会社の上司や部下にイライラして、そのストレスを解消できずに悩む人が増えていて社会問題になっています。

たとえば、あなたもこんな経験はないでしょうか。
「ウマの合わない上司や先輩にイライラが慢性化して・・・・・・」
「『いや、でも』を連発する部下や後輩に思わずイラッと・・・・・・」
「人格を否定するような叱り方をする上司を信じられなく・・・・・・」
「『がんばります』と言いながら工夫もせず進歩しない部下にイラッと・・・・・・」
「上司の無理難題に、戸惑い、徐々にイラつくときが・・・・・・」
「ズバッと指摘する言い方が、かなりきつくムカつく・・・・・・」

人は、自分の願望や希望に相手が応えていない時に、怒りや不満がこみ上げる場合が多いのです。まぁ、わからなくもありませんね。自分とは違う人間(特に異性や世代間など価値観が異なる)を相手にしている以上、避けて通れない状況。
この怒りや不満、不快の感情と上手に付き合う方法を学べば、仕事でも家庭でも人間関係はスムーズにいく可能性が高くなります。

では、その感情能力である、EQの5大要素を見てみます。ここは、声に出して読んでみましょうか。

1. 自分の感情を正確に知る能力
2. 自分の感情をコントロールできる能力
3. 楽観的に物事を考える、自己を動機付ける能力
4. 相手の感情を知る能力
5. 社交能力、対人間関係能力

あらためて音読するとわかります。
”これって、普通じゃん!””むずかしくないよね”と。
対人関係を苦にしない人や、比較的楽観的な人は、そう思うかもしれません。
でも、もう一度・・・・・・本当にその能力はあなたにありますか?

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