理究の哲学(エンジン)

第六章 保育・幼児教育の考察②③

第一項 幼児の能力分析 編

7【問題解決能力】(2013.01.21 掲載)

イソップ物語に、喉が渇いているカラスが水を飲もうとする場面がある。何ども失敗し、それでも諦めず、最後に僅かに水の溜まった入れ物に石を入れ水面を上げ、うまく水を飲む、という話。カラスにも「問題解決能力ある」を示す例だ。
都会のカラスはゴミを漁り、撒き散らし、今ではすっかり嫌われ者だ。取り締る人間との知恵比べをしている。あの逞しさと賢さには驚く。自然の中で生き抜く知恵を身に付けているのだろう。
すっかり過保護化されている日本の幼児に“自然の中で力強く生きよう”は、あまりにも現実感がない。
さて今回は、「問題解決能力」について触れたい。有効なのは、親子で一緒に何かをやることだ。特別な体験ではなく、日々繰り返される家事に参加させることで、能力開発になる。
4歳ぐらいになれば、多くの子どもは、家族の一員として、家事をすることができる。掃除、洗濯、食事・・・ママだけが家事をするのは知育上もったいない。
たとえば、カレーライスづくり。子供と一緒に買出しから始めたい。行くときは、必ず大きな文字でメモをするとよい。初めは理解できなくても、繰り返せば要領を掴むようになる。
スーパーマーケットは、絶好の学習の場だ。牛肉、豚肉、鳥肉。部位によっても値段が異なる。
見て、比べる。手にとって、比べる。いくつ必要なのかを数える。日々何気なくしている親の行動は、幼児にとって「知的操作」となる。
自分が食するモノの名前を覚える、という知的営みも少し意識するといい。モノを覚えるのは“繰り返し”と“好き”が大事になる。
包丁の取り扱いは、親として勇気がいる。先ずは、親が見本を見せることだ。ここは、パパの出番だ。5歳児ぐらいから挑戦させたい。火を扱うことも学ばせたい。危険が伴うので、慎重に。親の目と協力があればできる。
カップラーメン一つで、時間感覚を学ぶことができる。自分自身で、カップにお湯を入れる“冒険”があるからこそ“3分”“5分”の意味が違ってくる。
生活体験を積み重ねると、それが生活科学に変わる。
幼児期は、その芽を養う時期だ。生活科学は、原因―結果の関係を理解させる。
自分で体験させれば、身につく。失敗を見守る、許す家庭教育力が問題解決能力を高める。

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