理究の言魂(ことだま)

第一章 基本用語編

第一章は、理究で使われている「基本用語」を解説します。

「基本用語」の多くは、研修テキスト第一巻「理究の精神」の中でも断片的に触れています。各事業部の研修や運営要項の巻頭言でも比較的露出度が高い言葉となっているようです。
初出から30年以上経つ用語もあります。1つ1つの言葉を“省察・吟味し、表現の練り直し”をした上でNOをつけ、整理整頓をしました。
加えて、言葉の中に“揺るぎない思い込み・愛情”や“粘り強い根性”を詰め込みました(笑)つまり“入魂”したわけです。

「守・破・離」という言葉を知っている人も多いでしょうね。
千利休の教えをまとめた『利休道歌』の中に

- 規矩作法 守り尽くして 破るとも 離るるとても 本(もと)をわするな -

茶道、華道、武道など「道」と名がつく習い事をする時の基本姿勢、本物になるプロセスを端的に表しています。
趣味にも仕事にも、この「守・破・離」を当てはめて、啓蒙する先人たちがいます。書籍の中に守(修)と記載されているものを見かけます。おそらく伝道者たちが、「守」を「修」と置き換えた方が伝えやすいことに気づき、「守」と「修」と並列してきたのでは、と勝手に解釈しています。

私たちの仕事を例にしてみましょう。
先ずは、仕事の内容や手順などをマニュアルやOJT研修指導、先輩の教えを忠実に、「守り」「修める」ことからスタートします。
その「守(修)」には2つの段階があります。

1つ目は、会社・チーム・仲間の支援の下に業務(受付業務、事務処理、保育・学童指導や基本授業・生徒指導、商品説明や面談方法、教材開発や制作や企画編集など)を何とか遂行できる。つまり真似をしながら、ミスを犯しながら、指導者から叱咤激励をうけながら仕事をこなすレベル。これを、世の中では半人前と呼びます。半人前とは、給料を得ながら学ぶ事を許される=“脛をかじっても大丈夫”となります。職業人の猶予期間です。ビクビクせず、ドジっていいのです。よって、理究Gの新人の行動原則として「ス・ネ・カ・ジ・レ」(基本用語NO8)を標語にしています。

2つ目は、その修行期間を経て、経験してきた範囲での業務ならば、人に迷惑をかけずに自律的に仕事ができるレベル。一般的には、そう、“一人前”です。
“一人前”は、自分の領域の仕事ができる、といった意味で、「よくぞ頑張った」と認めて良いのです。自分の力で“稼ぐ”といった最低限度の力を身に付けたので、充分とも言える。ただ、自分自身の事で精一杯なので余裕はなく、仕事を“こなす”が主となるので、チーム・組織への貢献度は、低くも高くもない、というのが普通。
ここまでが第一ステップの守(修)となります。
“一人前”になれる期間は、業界によって全く異なるでしょう。特殊能力や技術が必要となれば、「守(修)」は、長くなる。すべての職に共通するのは、その人の経験値やセンス、努力に依存することです。それ以上に影響があるのが職場の「雰囲気(元気・明るさ)・風土(5S)・システム・ルール」。発展している会社・組織は、この点が優れています。「育成の環境」を大事にするからこそ、人材は育ち、結果として伸びゆく組織になるのでしょう。

私たちの保育・教育サービス業に限って言えば、(資格保有が前提で)1、2ケ月で“一人前レベル”に達成する人から3年以上かかる人がいます。
能力差(学習習得の速さ)は大人でも子供でも同じ。1、2回聞いてモノにできるか、10回聞いてモノにできるかの違いです。ハイ、それだけ(笑)
器用・不器用さは人それぞれ。焦る必要はありません。必ずできるようになります。大事なのは、その仕事が好き(もしくは好きになれそう)か、その職場に馴染むかどうか、信頼できる先輩・仲間がいるかどうか。それが継続のポイントになってくるでしょう。また、保育・教育サービス業の業務内容の幅(接客・最前線~裏方・サポート、研究開発・教材企画制作など)は広く、各セクションと自分との相性を探ることも、またそのスキルを磨くことも可能です。

さて、次なるは、その仕事を熟知した上で、業務を分析し改善・改良できる、自分なりの工夫やテイストを加えて「破」る段階。
これを“二人前超”と呼びましょう。定型業務(=“一人前”)以外に、もう一人分以上の仕事ができる段階。仕事が面白くて夢中になる時期でしょうね。自分の考えたことが形になる、仲間たちと共同して作品を作り上げる、業務を完遂させるのは、この上ない喜びを与えてくれます。
この段階まで到達している人は、周囲から“頼られる存在”となっています。つまり組織にとって不可欠なメンバーとなります。理究Gではそれぞれの事業部に“誇れる仕事人”を多数輩出しています。

最後は、「離るる」段階です。
今まで培ってきた知識、スキル、マインド・・・すべての経験を糧にしながら、新しい方法や技術を駆使して商品を開発できたり、関係部門や社外との業務を推進調整したり、また、チーム一人ひとりの個性を認め、彼らの力を最大限まで発揮させられるような人材=指導者=師となる段階を表しています。指導者=師は、日々成長する教え子や、変化する環境に対して、的確な指導や助言、判断をするという意味で“創造者”と言ってもいいでしょう。
利休は、“教えやルール”を「守り」「破り」「離れた」としても、根源の考え方や精神を貫くことが重要だと“本(もと)をわするな”と締めています。
室町時代から綿々と続いている「守・破・離」の教えは、日本国民の基本的な価値観の1つとして根付いています。400年以上という“時の流れ・歴史の刻み”の重みは想像を絶します。ただ、“教えやルール”は“教えやルール”として尊重しながらも「守・破・離」に呪縛され、固定的な思考に陥らないようにしたいものです。

職人の世界では、“10年間は見習い修行”なんて平気で言われていました(います)。いやぁ、厳しい世界です。テクノロジーが進んでいない時代は、“その瞬間を見て、真似て覚える” “師匠を見本として、師匠の感性に近づく”ことが修行(苦行)。刻苦勉励の世界です。時間は無限に必要だったと思います。
しかし、時代は猛スピードで変化しています。IT革命は、「学び」「修行」「道の究め方」を大きく変えています。ただし、日本は2000年から政府が“IT基本戦略”を掲げるも、掛け声倒れ(泣)世界水準からは大きく遅れています。菅政権の「デジタル庁」に期待と思いきや・・・え?2021年に法整備?では稼働するのは1年後?2年後?うん、遅すぎるじゃねぇ?
とにもかくにも、自分たちのできることは自分たちで進める。理究Gのデジタル推進(サ行経営活用のシ:仕組み化・システム化 参照)スピードはアップさせていきます。
この書では、基本用語を厳選してNO1~NO16まで紹介します。
「こんな意味や意義があるんだなぁ~」と触れる程度から始めてください。そして「門前の小僧習わぬ経を読む」の要領で、何度も何度も声に出して覚えるようにしましょう。そうすれば、必ず、自分のものになっていきます。気をつけたいのが「NO5 教育理念」「NO6 指導理念」「NO10 指導原則」です。各自、育った家庭環境や教育経験が異なるため価値観として異論が出てくるかもしれません。それはそうですよね。考え方や価値観がすべて同じなんてことはありえません。ですが、先ずは「守(修)」という心構えでスタートしてください。

さて、“ことだま”をググると“言霊”という漢字が出てきます。
“言霊”というと、サザンオールスターズの♪愛の言霊♪(1996年)を思い出します。何となくスピリチュアルな感じで妖しさが漂うイメージの曲。“言霊”を大辞泉で引くと「言葉に宿っていると信じられていた不思議な力。発した言葉どおりの結果を表す力」とあります。人間の能力を超えた別世界の匂いや感覚がします。
“霊”(れい)という音の響きや文字から幽霊、心霊、霊感など連想しませんか。少々怪しさが漂いますね。科学が進歩している時代に、“霊”は、この書に似合わないなぁ~。と、勝手に「言魂」と命名しました(笑)では、“霊”と“魂”とでどう違うのだ、とツッコミが聞こえそうですね。言われても、説明できる知識・能力は自分にはありません(泣)


愛の言霊(ことだま) ~Spiritual Message~

“言魂”は、魂の込められた言葉、しゃにむに行動して発する言葉、精一杯ひねり出した言葉、経験に裏づけされた言葉、というポジティブな香りが漂います。
スポ根漫画巨人の星に出てくる「一球入魂」の“魂”なのです。
主人公の星飛雄馬がピンチの場面で投球する時、瞳の中に炎がメラメラとでるアレに“魂”を感じます(笑)。

固定ページ:
1 2 3

4

5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17