理究の言魂(ことだま)

NO5 教育理念

子育てや教育の前提には 愛情=関心 があるよね。
関心って・・・
見守る、見守れる、見守りたい、ってことかなぁ

かわいくば 2つ叱って 3つ誉め 5つ教えて よき人にせよ

急所は“よきひとにせよ”の7音

たったの31文字。この言葉は、二宮尊徳(金次郎)が詠んだ作とされています。が、昔からある道歌で、出典は定かではありません。二宮尊徳は「晴耕雨読」や「勤勉の精神」を唱えた人であり、親孝行で向学心旺盛な模範少年でした。全国の多くの小学校に「薪を背負って歩きながら本を読んでいる銅像」がありました。
誰が創作したにせよ、素晴らしき歌で、子供や部下を育てる要諦を見事に歌い上げています。教育に関する至言として今でも生きている言葉です。
この歌を「教育理念」とした理由は、“かわいくば ⇒ よき人にせよ”のストレートな語感と明確な結論に魅力を感じたこと。加えて、“かわいくば ⇒ よき人にせよ”のそのプロセスとして、2つ叱る、3つ誉める、そして5つ教える。この2+3+5=10の割合、バランスの絶妙さに、何か暖かな雰囲気、揺るぎない慈しみを感じたことです。

実は、叱ることも、誉めることも、教えることも、“よき人に”しようとして、愛情を注ぎ、可愛がり、大切に扱っていればこそできる。つまり、ほったらかしではない行為です。“目をかける”子育てには必要不可欠な行動です。1986年にノーベル賞を受賞したエリ・ヴィーゼル 氏の言葉「愛情の反対は、憎しみではなく・・・・無関心」という箴言(しんげん)が示すように、無視放任は最も残酷な子育てであり、教育です。
わが子を“かわいい”と感じない人はいないでしょう。もしもいるならば、心が病におかされている可能性が高いので専門家の治療を勧めます。

あなたにとっての“よきひとにせよ”の“よきひと”は、どんなイメージを持つでしょうか。対象を限定しないとなかなか回答はできませんよね。今回は、わが子、もしくは幼児に絞りましょう。う~ん、抽象度が高い問いです。大学入試の記述論文でもテーマになりそうですね(笑)
“可能性を追究する人”“社会に貢献できる人”“努力できる人”“何かに夢中になれる人”“自分の事を大切にする人”“人の為に役立てる人”“平和を第一に考える人”“不正を憎み、正義を貫く人”・・・どうでしょうか、色々な意見が聞こえそうです。

たとえば、一例をあげてみましょう。
“よきひと” ⇒“自立できる人間”と設定したとしましょう。
では、その“自立”をもう一歩踏み込んで考えたらどうでしょうか。乳幼児では、先ずは、健康を最優先としながら、基本的生活習慣を身に付けることが当面の目標になります。保育士や母親経験者は熟知していることですが、0歳から2歳ごろまでは、身体能力(歩行開始時期)、食事(量、好き嫌い)、生理能力(睡眠時間、排せつ自立)、聞き分け能力、言語能力発達・・・に相当な個人差があります。枠にはめ込んでの育児はできません。一人ひとりの個性を見抜きながら、じっくり“自立を見守り”そして“自立を促す”のです。そして、5歳ぐらいまで大きな病気や、ケガがないようにケアしながら「身体の自立」を目指します。
健常児であれば、4、5歳になると、指先も器用になり自分の事は一通りできるようになります。自転車乗りや一輪車遊び、縄跳び、ボール運動など小学校入学前には「身体の自立」は、ほぼ完成しています。

「身体の自立」の完成期ごろから「精神の自立」(因果関係を理解する力、我慢する力、共同作業できる力、共感できる力、好奇心を探求する力など)が、ゆっくり時間をかけて成長していきます。この「精神の自立」には完了はありません。つまり、一生涯継続する課題。ただ、小・中・高・大の少年期から青年期に大きな学びがあり、変化する時期です。親の管理下は小学生頃まで。中学生以上になると「仲間」が生活の中心になります。クラスメイトや部活での先輩・後輩、仲間との交流や、受験勉強、読書、映画や旅行を通じて、何より淡い恋心や強烈な失恋を経験して「精神の自立」は養われていきます。青年になっても親元を離れないのはこの「精神の自立」を阻害する可能性があります。寮生活、下宿生活、一人暮らし、を通じて得る経験は、そう、かなり貴重。
そして、最後は親からの自立―「経済の自立」―となっていきます。

それぞれの発達段階で、個人に応じた課題は異なります。1つの指標として上記の「身体の自立」「精神の自立」「経済の自立」の3点をゴールとして見立てていくと、焦らない、右往左往しない、どっしり構えた子育て・教育ができるかもしれません。
教育は本来、ごくごく私的な営みです。あなたとあなたのパートナーで方針を決めればいい事なのです。誰かにとやかく言われる筋合いではありません。国家に委ねる?学校に任せる?その考え方はリスキー(笑)。言われたところで、誰も責任は取ってくれません。つまり、親として“甘ったれた気持ち”は捨てる事です。助けを求めるな、ってことではありません。その逆です。自分の限界を知り、できることをやる覚悟が必要。なぜ?
“かわいくば ⇒ よき人にせよ” という目標があるからです。
“かわいくば ⇒ よき人にせよ” は、私が定めた教育の黄金律(笑)

さて、初めてこの理念を目にした人は、「え?これが教育理念?」なんて感じたかもしれませんね。「教育理念」と言うと、もっと高徳で難解用語をイメージしているかもしれません。次の章「NO6 指導理念」でも触れていますが、“難しいことを易しく”というのが大切。そう、Simple is best!

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