理究の言魂(ことだま)

NO10-3 指示明確化の原則

集団のクラス運営では、“阿吽の呼吸”で子ども達を動かすことは限りなく不可能です。スクール形式でも円陣形式でも、全員を指導者の視界に入れる態勢を整えるところからスタートします。
見るべきなのか、聞くべきなのか、考えるべきなのか、作業をすべきなのか、発言すべきなのか、小テストは何分でするのか、秩序ある(効率的で効果がある)指導をするためには、1つ1つ明確にすることです。

授業を参観していて感じるのは、上手な指導者は、指示出す前に必ず全体を見渡す“間”があります。指導者に“余裕”があるかどうかがポイント。児童・生徒の視線を集めます。そして、一気呵成に的確な指示を出します。

1回の授業で、幾つものステップがあるならば、黒板(ホワイトボード)やプリントに“全体の流れ”を示すことです。指導者は、通常、その領域に長けた経験者です(笑)。何度も実践しているので当たり前のように扱います。当たり前ですよね。知っていればできるわけです。しかも、簡単に処理をします。

しかし、【学び手-生徒】は、初心者。右も左もわかりません。つまり、暗闇の中にいるのです。だから安心させることを心がけるのです。そうすれば、【学び手-生徒】は、勝手に見通し学習します。だから指示明確化は大切なのです。
講師・指導者はコーチです。ストップウォッチを片手にタイムキーパーになることも大事。ただ教科内容を教えればいいというものではありません。チーフディレクターであり、アシスタントディレクターでもあるのです。勿論、ストップウォッチを持っていても厳格になる必要はありません。
いや、むしろ四角四面に神経質になってはいけない場面の方が多いかもしれません。
「よし、この問題はおおよそ5分。よーい、はじめ」とスタートして、机間巡視します。この机間巡視は、状況把握=事実認識するための重要なプロセス。生徒たちの解答プロセスを見ながら時間を短縮したり、延長したりすればいいわけです。授業は子ども・生徒の実力を伸ばすための場。「指示明確化」した上で、さじ加減をすることも大事な要素。もう少しで“できそうな気配”があれば、調整すればいいのです。それが指導者としての腕、勘所。

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